美容に気を使う方や痩身エステを受けたい方、リラクゼーションを求める方、エステサロンはさまざまなニーズに応えるべく、施術内容もさまざまな方法を取り入れています。最新の機器を使った施術もあれば、すべてエステティシャンの手で行う施術もありますよね。
それぞれメリットとデメリットがありますが、マシンエステの場合は場所や時を問わず、常にある程度一定の効果が期待できることから、ご自身で好きな機器を選んで施術をすることで通常よりも安価に体験できるセルフエステも増えてきました。リーズナブルであることはもちろん多くの方にとって魅力だと思いますが、それでもやはりハンドエステは人気が高いです。それはなぜでしょうか。
ハンドエステ(オールハンド)の特徴
さて、それではハンドエステを受けるメリットとデメリットを説明していきます。
ハンドエステのメリット
マシンエステは先述のとおりセルフエステも存在することから、機器を適切に扱いさえすれば基本的にはいつでも均一的な施術が受けられます。ですが、ハンドエステは施術者の手によって行われるため、微細な調整が可能です。つまり、受ける人のその日の体調やコンディションに合わせた繊細なトリートメントを行うことができるということです。
人には、生理痛や二日酔い、寝不足といったような明確な原因による体調の変化もあれば、なんとなくむくんでいる、なんとなく肩が重い、といったような、特に原因は見当たらないがなんとなく不調であるという状態もあると思います。
そういった体調変化や、「背中よりも脚を重点的に行ってほしい」「腕に怪我を負ってしまったので今日はそこだけ力を弱めてほしい」といった、その時々に応じて変化するニーズを受け止めた上で施術をしてくれる、というのは大きなメリットでしょう。
また、ハンドエステ、オールハンドエステが人気の理由としては、なによりもリラクゼーション効果が期待できるという点が挙げられるのではないでしょうか。
当然ながら施術する手には体温があり、施術される方の体に近い温度で触れられます。目や肩、首、脚が疲れたときに自然と手などを当てて温める方も少なくないと思いますが、「温活」という言葉が広く知られているように、ぬくもりにはどこか安心できるものが感じられるといえそうです。実際に施術中に心地よくなって寝てしまったという方もいるのではないでしょうか。
また、温活という面でいえば、体を温めると血流やリンパの流れの改善、ひいては基礎代謝を上げることにつながるといわれています。基礎代謝が上がれば、むくみや冷え性の改善も期待できるため、今多くの方が取り入れているわけです。むくんだ状態が慢性化して太って見えてしまうというお悩みを持つ方もいますが、もしむくみが解消されれば、実質的に痩身も叶うかもしれませんね。
ハンドエステのデメリット
ハンドエステを受けるデメリットは、やはり施術者によって受けられる内容が変わるという点でしょう。以前受けた施術で効果を感じて同じサロンに訪れても、違うエステティシャンを指名した場合、同じ効果が得られるとは断言できません。
同じサロンでも必ずしもすべてのエステティシャンが同等の技術を持っているとは限りませんし、手の大きさや体温、力の加減などちょっとした差で、なんとなく自身に合う・合わないといった相性のようなものも感じるためです。
心地の良い施術が受けられたら、次回もそのエステティシャンを指名するのがよいでしょう。また、施術前に「リラックスしたい」「肩こりを和らげたい」など要望を具体的に伝えることも有効だと考えられます。
ハンドエステの種類
ハンドエステというと、体をもみほぐすマッサージを主とした施術を想像する方が多いかもしれません。実際にはさまざまな施術法がありますが、大きく、リンパマッサージとデトックスマッサージの2種類に分けることができます。この項では、それぞれについて説明をします。
リンパマッサージとは
体の中のリンパを流す(リンパ液を流す)ことを目的としたマッサージです。リンパ液は脂肪や老廃物、ウィルスなどを運ぶ役割を担っているのですが、これが通っているリンパ管はとても細く、ちょっとした生活習慣の乱れや運動不足などが原因ですぐに滞ってしまうといわれています。
そもそも、血液と違って心臓のようなポンプ的な機能を持つものがなく、とてもゆっくり流れているというのもあって、マッサージを施すことでその循環を促すよう導くというわけです。
リンパ液の流れがよくなると老廃物などの排出がされやすくなることになるので、むくみ改善やダイエットを目指したい方に人気の施術といえます。
基本的には、ハーブ、アロマオイルなどを使って体をもみほぐす施術です。セルフで行う方法もさまざまなメディアで紹介されていますが、誤ったマッサージを行ってしまうと体に悪影響があらわれてしまう可能性もあるので、できればサロンなどに通ってプロの施術を受けるようにしてください。
デトックスマッサージとは
老廃物を体外に排出することを目的として行われるのはリンパマッサージと共通しているのですが、名前のとおり、「デトックス」することを重視しているので、リンパマッサージよりも強い力で行われることが多いです。
デトックスとは、毎日の生活の中で、食事はもちろん、呼吸や皮膚への吸収などで自然と取り入れてしまった「毒素」といわれる物質を排出することで、体に本来の力を戻し、健康な状態に導くこと。毒素と聞くと「そんなものは取り入れていない」と思われるかもしれませんが、アルコールや体の中で不要になった物質も含まれます。
方法は、アーユルヴェーダやかっさを用いた施術が一般的です。アーユルヴェーダとは、インド大陸の伝統的医学のことなので、食事やライフスタイルなど、あらゆる面で参考にすることができるのですが、ここでいうそれは、その考え方に基づいて行われるインド式のマッサージのことを指します。
そしてかっさとは、天然石のプレートのこと。もとは中国で行われていた民間療法である「刮痧(かっさ)療法」に由来しているそうですが、今はフェイシャルマッサージなどにも用いられ、美容面における印象が強いかもしれません。プレートを使って全身をマッサージすることで、筋肉のコリをほぐす、老廃物を排出するといった効果が期待できます。
エステサロンに通う際は目的を明確に
ここまで、ハンドエステの特徴やメリット、注意点などに触れてきましたが、エステサロンに通う際には目的を明確にすることが大事です。サロンによって重視するポイントも異なり、それによって施術方法も異なるためです。
リラクゼーションを求める方、肩こりやむくみが気になる方、エイジングケアに興味がある方、フェイシャルエステを重視して施術を受けたい方、人それぞれ目的が異なり、また、そのニーズに応えるため、サロンもそれぞれに特化した施術を行っていることが少なくありません。
まずは自身の体のどの部分のどういった点が一番気になっているのかを明確にし、その対策に合ったサロン選びが重要です。そして、ハンドエステの場合、前述のとおりエステティシャンによって施術方法が異なるため、一度「ちょっと違うな」と感じても、同じサロンの別の方を指名したら相性が合うということもあります。
自分に合ったサロンや施術方法、エステティシャンがすぐに見つかる場合もあれば、なかなか見つからない場合もあるため、気長に通って「こういった効果を求めるならこのサロン」「こういうときはあのサロン」と用途やその日のコンディション別に行きつけを追求していくのもいいかもしれません。